水泡

とある曲を聞いて頭に流れた景色を言葉にして綴る場所。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ひかりのうみ

ひかりの海に投げ捨てた、硝子の瓶。 日を重ねる毎に手の届かない場所へと流れて行く。 知らぬ間に欠けた思い出の切れ端は、徐々に水を吸い込んで重みを増していく。 沈んだ奥の、奥の先に、「いつか」を追いかけるようになった僕の後ろ姿が、目の裏に焼き付…

スロウハイツと太陽『空蟬』

あれから何回目の夏を迎えたのだろうか。 今日はいつもより少し暑くて、何となく気が遠くなる。そしてあの日に似たこの虚無感はきっとこれからも忘れることはないんだ、と僕は毎年思う。 その季節を象徴するようなヒグラシの鳴き声はいつも耳に響く。 いつも…