水泡

とある曲を聞いて頭に流れた景色を言葉にして綴る場所。

2015-01-01から1年間の記事一覧

Lyu:Lyu『潔癖不感症』

この世界に望んでもいないのに産み落とされて気づかぬ間に人生はスタート切っている。偶然という名のない、必然で構成されたこの世界へ。 年を重ねれば重ねる程、この世は生きにくく、汚く、生き苦しいものだと、嫌な世界だと人は知る。ねえ、そこのお嬢さん…

赤い公園『サイダー』

陽炎がゆらゆらするあの夏の暑い日。いつも通り履き古した白いシューズを履き、チャイムと共に体育館へ向かった。今日は夏休み前の終業式だ。校長先生の長い話に皆早く終わらないかなと、どの行列も退屈そうだった。私より少し高い身長の君は私の斜め後ろ。…

イロムク『ままごと』

なんだかままごとみたいに安っぽい私と君の二人の日常。同棲していても何も決まり事もないし、お互いのことだってよく知らない。知りたいと思う私は君にいつも聞くのに、曖昧な言葉で曖昧に誤摩化すよね。曖昧にしないで。 君と二人でいるこの空間なのに、結…

イロムク『恋煩い』

近頃安定しない天気のせいで毎朝天気予報を見るのが日課になっている。今日は天気が悪いようだ。傘を忘れずに持って行かなきゃなと玄関で靴を履きながら思っていた。そこへ彼女がやってきて雨が降る日には必ず「傘忘れないでね」といつも言ってくれる。そん…

BIGMAMA『the cookies crumbles』

「人生ってこんなものでしょう?」彼女はそう言ってプール中へ飛び込んだ。頭が可笑しい人だと思った。真夜中に仲良くも無い、話したこともない僕を呼び出して急にプールに飛び込むなんて。彼女は少し変わった人で有名だった。いつも学校では一人だったけれ…

T/ssue『塩釜口』

久しぶりに帰ってきた、故郷の地。確か改札を出て二番出口だったっけな。帰ってこないうちに色々変わっていた。駅構内も、駅前の景色も。唯一変わっていないのは、どこにいても忘れることの出来なかった、時々ふと思い出すあの子との昔の約束。 僕と君以外は…

polly『アンハッピーエンド』

今日も何も変わらなかった。 朝起きて仕事に行き、自宅へ帰り、夕食を食べ、就寝。 そしてまた明日は変わらずやってくる。 世間一般の人々はそれを受け止め小さな幸せをかき集め生きている。 それじゃ足りないから「僕だけ」に響く言葉を探している。 「僕だ…

コレサワ『タバコ』

明けないでと願う夜ほど、朝を早く迎えてしまうのは何故だろう。もう僕には明日は必要ないのだと、何度この世の中に言い聞かせたって聞いてはくれないんだ。ボサボサの髪の毛を梳かすことも、一日中着ているパジャマも着替えることもなく、ただひたすら家の…