水泡

とある曲を聞いて頭に流れた景色を言葉にして綴る場所。

2017-01-01から1年間の記事一覧

須田景凪│バルーン『雨とペトラ』

いつか空は灰のように脆くなって、この地に落ちるって誰かが言っていた。 僕は退屈に染まったいつもと同じこの街に立ち止まったままどこへも行けない。 それに何か反抗したくて日々を妄想に費やして何とか遣り過ごしている。 そうやって何かに対して期待も希…

12luck『泣けど喚けど朝がきて』

午前五時 空は僕の願いを素通りして白んでゆく。 「夜が明けなければいい しばらくここに、どうか居させて欲しい」 誰もが独りでいることを許されるような この時間だから。 誰もが知る、綺麗で季節を象徴するあの花は皆受け入れる。 「どれもみんな綺麗だ」…

kozumi『窒素』

こんな生活なんてって本当は思っている。 気持ちは落ち着かずに時間と季節だけが過ぎて、私を置いて行く。 肌寒い風が知らせる、経過。 ああ、もうあの日に似た、9月だ。 だけど今までのこと全部無かったことになんて出来ないから、私は私に沢山嘘を重ねる…

ユアネス『あの子が横に座る-前編-』

過去という事実がこの世に生まれ続けるのだとしたら、後悔は一生僕の後ろを着いて歩く。 ついこの間まで夕方と夜の間では空はまだ赤かったはずなのに、いつの間にか暗闇が時間を追いかけて、この場所には君すらも居ない。 アスファルトに刻まれた白い線、ず…