水泡

とある曲を聞いて頭に流れた景色を言葉にして綴る場所。

ユアネス『あの子が横に座る-前編-』

過去という事実がこの世に生まれ続けるのだとしたら、後悔は一生僕の後ろを着いて歩く。

 
ついこの間まで夕方と夜の間では空はまだ赤かったはずなのに、いつの間にか暗闇が時間を追いかけて、この場所には君すらも居ない。
 
アスファルトに刻まれた白い線、ずっとこんな風に真っすぐ信じて歩いていけると思っていた。
 
いつかは絶対叶えるんだって小さい頃に描いた夢への地図も、日々を重ねる度に嫌でも才能の無さに気づいて、それがいつしか重荷になってしまった。
 
それでも、諦めきれなくて。
やっぱり、諦めることはできなくて。
 
頑張り続ければきっと、いつか、叶う。
なんてこの年になっても信じている。馬鹿みたいに。
そして探している、あの頃きみが差し伸べてくれた手を。
明日が絶対来る約束なんて出来ないのに。
 
そんなことを思ってしまうのは記憶の中で埋もれてしまった君との会話のせいかな。
あの言葉の続きは、結局聞けなくて。
未だに僕の中で置き去りにされている。
 
『続』