水泡

とある曲を聞いて頭に流れた景色を言葉にして綴る場所。

ひかりのうみ

ひかりの海に投げ捨てた、硝子の瓶。

日を重ねる毎に手の届かない場所へと流れて行く。

知らぬ間に欠けた思い出の切れ端は、徐々に水を吸い込んで重みを増していく。

 

沈んだ奥の、奥の先に、「いつか」を追いかけるようになった僕の後ろ姿が、目の裏に焼き付いている。それが何だか操り人形のように見えて、繰り返す呪文で自分自身を保ち続ける。

 

文字には起こしようのない言葉と気持ちを束ねて流し、全てを失ったフリをした。それが丁度良い温度と言い聞かせて、振り返った。

 

消し去られる一秒。

押しては引いて、また重なった。

陰だけ置いて、呼吸を止めた。

 

霞んだ、底の底に、空気を全て飲み込んで巻き戻せない時間を回収する。