水泡

とある曲を聞いて頭に流れた景色を言葉にして綴る場所。

まちがいさがし『生活はその日のために』

四畳半なありきたりな空間に私は閉じ込められている。 正しくは身体毎ではなく、精神的にということ。 息をする為に、生きをする為に、何かを犠牲にしている。 生活を繰り返して 明日を待っている 今日を見送っている 昨日を惜しんでいる 時々全てを壊したく…

ヨルシカ『爆破魔』

どこにでもあるどこにでもない風景を照り返す、 嫌いになりそうなくらいの天気はちょっとだけ、 心を憂鬱にさせる。 窓に映る半透明な僕を見て、 『さよならだ、人類。みんな吹き飛んじまえ。』と 本物の僕が口を動かした。 "青春"という名にどれほどの価値…

H△G『星見る頃を過ぎても』

「さよなら」という言葉は物語を終わらせない為に、神様が作り出した。 そして、これ以上にない意地悪な呪文の1つだった。 何度唱えてみても、そこに意味なんて存在していない。 ただの言葉であることは、年を重ねる毎に痛い程身に沁みて行く。 その度に、…

あめのむらくもP『エリカ』

終電という名の、今日に区切りをつける電車に乗り過ごさないように、がむしゃらに走った。 ホームに鳴り響く、警告音と人々が発する騒音に紛れ込んで。 息を切らして、滑り込んだ車内で整える。 暗闇越しに映る自分自身を眺めながら、いつか何年も前に知った…

あめのむらくもP『他人事の音がする』

幼い頃君に教えられた「優しさ」という約束を守っているだけ。 そう言って僕は本当の思いを包み隠して、また誰かを救っているフリをして偽善者になりたがった。本物の救いなんて差し出すことなんてせずに、中途半端に。 すれ違う沢山の出来事を見てみぬフリ…

popoq『flower』

人は与えられた道をひたすら歩く。 保育園または幼稚園、小学、中学、高校、大学、社会人へと。 早い段階でいつしか気づいたことがある。 僕は周りの他人(ひと)よりも「不出来」だということ。 それに気づいてからは何故だろう、いつしか同じ夢を繰り返し見…

電ポルP『曖昧劣情Lovers』

こんなにも憂鬱な気分になる乾いた恋心はどこかに隠していたい。 でも本当はどうしようもなくて、自分でもコントロールなんて出来なくて。 誰かに気に入られるように振る舞うのは嫌いなんだけど、すごく嫌いなんだけど、どうしてもあんたに好かれたくて、私…

成田痳『一万二千円の恋』

人々は他人と自分を比較して自分自身の価値を図ろうとする。 私はせいぜい一時間、一万と二千円ぐらいのものなんだろうな。 もっと高い人なんて腐る程、居るんだろう。 なんて不貞腐れながら、ピンクの光がキラキラと輝く街を歩く。 今の私には眩し過ぎるか…

須田景凪│バルーン『雨とペトラ』

いつか空は灰のように脆くなって、この地に落ちるって誰かが言っていた。 僕は退屈に染まったいつもと同じこの街に立ち止まったままどこへも行けない。 それに何か反抗したくて日々を妄想に費やして何とか遣り過ごしている。 そうやって何かに対して期待も希…

12luck『泣けど喚けど朝がきて』

午前五時 空は僕の願いを素通りして白んでゆく。 「夜が明けなければいい しばらくここに、どうか居させて欲しい」 誰もが独りでいることを許されるような この時間だから。 誰もが知る、綺麗で季節を象徴するあの花は皆受け入れる。 「どれもみんな綺麗だ」…

kozumi『窒素』

こんな生活なんてって本当は思っている。 気持ちは落ち着かずに時間と季節だけが過ぎて、私を置いて行く。 肌寒い風が知らせる、経過。 ああ、もうあの日に似た、9月だ。 だけど今までのこと全部無かったことになんて出来ないから、私は私に沢山嘘を重ねる…

ユアネス『あの子が横に座る-前編-』

過去という事実がこの世に生まれ続けるのだとしたら、後悔は一生僕の後ろを着いて歩く。 ついこの間まで夕方と夜の間では空はまだ赤かったはずなのに、いつの間にか暗闇が時間を追いかけて、この場所には君すらも居ない。 アスファルトに刻まれた白い線、ず…

ひかりのうみ

ひかりの海に投げ捨てた、硝子の瓶。 日を重ねる毎に手の届かない場所へと流れて行く。 知らぬ間に欠けた思い出の切れ端は、徐々に水を吸い込んで重みを増していく。 沈んだ奥の、奥の先に、「いつか」を追いかけるようになった僕の後ろ姿が、目の裏に焼き付…

スロウハイツと太陽『空蟬』

あれから何回目の夏を迎えたのだろうか。 今日はいつもより少し暑くて、何となく気が遠くなる。そしてあの日に似たこの虚無感はきっとこれからも忘れることはないんだ、と僕は毎年思う。 その季節を象徴するようなヒグラシの鳴き声はいつも耳に響く。 いつも…

uguis「24時間の幸福」

朝が迎えに来て、外が明るい。 窓辺には朝日の光が差し込み、時が過ぎることも忘れてただその空間にずっと居た。 その時このまま二人だけの時間が止まればいいなって思っていたのは、きっと僕だけだっただろう。 他人が僕が今考えていること、頭の中を覗く事…

水槽のクジラ「開け放つ窓」

明日の朝、僕は目を覚ましたらきっとここには居られなくなる。 そんなことを考えていたらもう夜中の2時を指す針。 ここには居られなくなっていた。 もう明日をとっくに迎えていたみたい。 あなたが最後に見ていた終わりの季節が巡って来る度に、その季節独…

イロムク『口癖』

「最近あんたの口癖それだよね。」 昨夜友人に言われて気がついた。私はいつの間にかあの人がいつも口にしている言葉を発していた。カップルは一緒にいると顔が似てくるだとか、口癖が似てくると聞くけどそういうものの一種なのかもしれない。 でも私たちは…

uguis『痛々しいラヴ』

初対面の君は仏頂面で一切笑ってくれなかったし、口も対して聞いてくれなかった。だから片手で数えられるぐらいの会話しかしていなかったような気がする。 そんな君も合う回数を重ねる毎に心をゆっくり開いてくれた。じっくり時間をかけて、考えて、発せられ…

Lyu:Lyu『潔癖不感症』

この世界に望んでもいないのに産み落とされて気づかぬ間に人生はスタート切っている。偶然という名のない、必然で構成されたこの世界へ。 年を重ねれば重ねる程、この世は生きにくく、汚く、生き苦しいものだと、嫌な世界だと人は知る。ねえ、そこのお嬢さん…

赤い公園『サイダー』

陽炎がゆらゆらするあの夏の暑い日。いつも通り履き古した白いシューズを履き、チャイムと共に体育館へ向かった。今日は夏休み前の終業式だ。校長先生の長い話に皆早く終わらないかなと、どの行列も退屈そうだった。私より少し高い身長の君は私の斜め後ろ。…

イロムク『ままごと』

なんだかままごとみたいに安っぽい私と君の二人の日常。同棲していても何も決まり事もないし、お互いのことだってよく知らない。知りたいと思う私は君にいつも聞くのに、曖昧な言葉で曖昧に誤摩化すよね。曖昧にしないで。 君と二人でいるこの空間なのに、結…

イロムク『恋煩い』

近頃安定しない天気のせいで毎朝天気予報を見るのが日課になっている。今日は天気が悪いようだ。傘を忘れずに持って行かなきゃなと玄関で靴を履きながら思っていた。そこへ彼女がやってきて雨が降る日には必ず「傘忘れないでね」といつも言ってくれる。そん…

BIGMAMA『the cookies crumbles』

「人生ってこんなものでしょう?」彼女はそう言ってプール中へ飛び込んだ。頭が可笑しい人だと思った。真夜中に仲良くも無い、話したこともない僕を呼び出して急にプールに飛び込むなんて。彼女は少し変わった人で有名だった。いつも学校では一人だったけれ…

T/ssue『塩釜口』

久しぶりに帰ってきた、故郷の地。確か改札を出て二番出口だったっけな。帰ってこないうちに色々変わっていた。駅構内も、駅前の景色も。唯一変わっていないのは、どこにいても忘れることの出来なかった、時々ふと思い出すあの子との昔の約束。 僕と君以外は…

polly『アンハッピーエンド』

今日も何も変わらなかった。 朝起きて仕事に行き、自宅へ帰り、夕食を食べ、就寝。 そしてまた明日は変わらずやってくる。 世間一般の人々はそれを受け止め小さな幸せをかき集め生きている。 それじゃ足りないから「僕だけ」に響く言葉を探している。 「僕だ…

コレサワ『タバコ』

明けないでと願う夜ほど、朝を早く迎えてしまうのは何故だろう。もう僕には明日は必要ないのだと、何度この世の中に言い聞かせたって聞いてはくれないんだ。ボサボサの髪の毛を梳かすことも、一日中着ているパジャマも着替えることもなく、ただひたすら家の…